家庭、地域社会、学校を結ぶ情報通信                  NO341
2005年(平成17年)2月18日発行

大 王 や し


発 行 所  台中日本人学校
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校長室より

校 長  松 井 幹 夫


1.学年まとめ
 学校の台湾山櫻(タイワンヤマザクラ)が開花し、モンシロチョウが飛び交い、田植えが始まり、学校周辺は春の息吹で一杯です。子どもたちを始め保護者の皆様方、5日(土)から13日(日)までの9日間の春節休み、どのように過ごされましたか。きっと、素晴らしい体験を数多くされたことでしょう。
 台中日本人学校の平成16年度も、残すところ4週間となりました。中学部3年生は、あと2週間で9年間の義務教育の終わりを告げる卒業式を、小学部6年生は、あと3週間で前期義務教育の課程を修了する卒業式を迎えます。卒業生は、それぞれの学部の集大成に向け日々精進し、また、友との別れを惜しむかのように充実した学校生活を送っています。

2.PTA臨時総会
 24日(木)に、平成16年度のPTA臨時総会が開催されます。当日は、授業参観・学級懇談会・バス利用者説明会も同時に実施されます。お忙しいと思いますが、多数の方々にご出席いただき、頑張る子どもたち一人ひとりの姿を見ていただき、励ましていただければ幸いです。また、来年度に向けての本校の教育方針、年間行事予定(案)、学校が抱えている問題等をお話しし、学校運営に対するご理解とご協力、ご支援をいただきたいと願っています。





 
 
1月31日(月)
「インドネシア・スマトラ沖地震募金活動」
 
 2004年12月26日にインドネシアで起きた地震及び津波被害への募金活動が、1月31日より、児童会・生徒会が主体となって行われました。皆さんの善意のおかげで多くの義援金が集まりました。ご協力ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
2月 2日(水)
「エンゼル幼稚園児来校」
 
 
 この日、エンゼル幼稚園の年長組の園児が来校しました。校舎見学及び授業見学の後、体育館で台中校の小1・小2の子どもたちと、歌や「洗濯物ゴシゴシ」のゲームなどで交流しました。とても楽しい時間を過ごせたことと思います。
 
 
 
 
2月 2日(水)
「小学部節分集会」
 
 

この日、5校時に小学部節分集会が行われました。節分についての説明の後、学習委員会による桃太郎の劇、そして、新聞紙のボールを豆に見たてて、鬼にむかって「鬼は外、福は内」と豆まきをしました。「かぜをひく鬼」など、子どもたちが、自分で追い払いたい鬼を追い出すことができたと思います。
 
 
 
2月 3日(木)
「小学部交流会」
 
 
 この日の小学部交流会では、お掃除大会が行われました。グループに分かれて、ぞうきん、ほうき、モップを使って、ボールをリレーしました。どのグループも「一番早くゴールするぞ!」という意気込みで頑張り、とても白熱した、楽しい交流会となりました。
 
 
 
2月 4日(金)
「獅子舞演技」
 
 
 小学部1年生のお楽しみ会で、彰化地区の獅子舞を見る企画が実施され、それを全校児童生徒で見学させて頂きました。気迫のある獅子舞の動きと音楽で、見る人を引きつける内容でした。台湾の文化をまた1つ学ぶことができました。


図書紹介

中学部学習委員会のみなさんが、お気に入りの一冊を紹介します。

 今回は、中学部2年Nくんが紹介します。僕が今回紹介する本は『バッテリー』です。この本を紹介しようと思った理由は、子どもだけではなく大人も十分楽しむことができる本だと思ったからです。この本を読み出すと、その世界に入り込んでしまい、あっという間に読み終わってしまいます。

《内容紹介》

 主人公の原田巧は、中1になる野球好きの天才ピッチャー、祖父の家で一緒に暮らすことになり、そこで同じ中1になる野球好きの“キャッチャー”永倉豪と出会う。性格が全く違う2人だが、2人でバッテリーを組み、互いの心を理解していく・・・。

 僕はこの本の中で気に入った言葉があります。

 「そうだ、本気になれよ。本気で向かって来い。子どもだとか、小学生だとか、中学生だとか、関係ないこと全部すてて俺の球だけを見ろよ。」

 これは主人公である原田巧の言葉です。この言葉からは、原田巧の野球に対する熱意が伝わってきます。ただ単に僕自身が「野球が好き」という理由からこの本を紹介しようと思ったわけではありません。本の内容がとても気に入りました。「こんな物語がすぐ間近にあるのではないか」と思うほど、身近に感じることができました。是非、みなさんも一度読んでみて下さい。

《主な登場人物紹介》

 ☆原田 巧(はらだ たくみ) ☆永倉 豪(ながくら ごう) ☆原田青波(はらだ せいは)

《作者紹介》 作家:あさのあつこ

 1954年岡山県に生まれる。青山学院大学文学部卒業。「バッテリー」(教育画劇)で野間児童文芸賞、「バッテリーU」で日本児童文学者協会賞を受賞。 主な作品に<バッテリーシリーズ>(教育画劇)、「ほたる館物語」(新日本出版社)、「No.6」(講談社)、「ガールズ・ブルー」(ポプラ社)などがある。




2004年度子ども相談室より−18−

子ども相談担当

変革の力

 人間は、正しいことをするか、悪いことをするか、どちらかを選択せよと言われると、ほとんどの場合は正しいことを選択しますね。ただし、それをすることで明らかに自分が損をすると分かっている場合は、必ずしも正しいことを選択しないケースもあります。例えば、街角で誰かが因縁をつけられている場面に遭遇したとしましょう。その場を見た人は誰でも「助けに入るのが正しいことだ」と分かっていても、自分に危害が及ぶと予見できる場合には、見過ごして去っていく人の方が普通ですよね。これは、善悪の判断よりも、損得が行動の判断基準になりがちだからだと言えるでしょう。
 “しがらみ”と表現される人間関係も、分解していけば、その多くは意に反して損得で動く関係だと言えるでしょう。では、人は損をするとわかっている場合には何もしないのでしょうか?先ほどの街角での因縁の場面に戻ってみましょう。もしあなたが、因縁をつけられている人を助けたいと意識したとき、周囲にあなたを応援してくれる大勢の人がいるとすればどうでしょうか。損をするかも知れませんが、孤立することはないと思える時には、人は目先の損得を超えて、行動をすることがよくあります。

 誰かが声を出した時に、支援してくれるという周りに対する信頼感があるかどうか。

これが組織を変えようというときに最も大事なことだと思うのです。組織の体質は「支援してくれる仲間がいるかどうか」によって測ることができます。体質と意識は不可分の関係にあり、意識は体質の中で形成されるものであり、その意識によって体質は強化されていくものだと思います。 意識することと、認識することは違います。先ほどの街角の因縁の例にたとえれば、「助けに入ったほうが良いと分かっている」ことが認識であり、「助けに入りたい」と思うことが意識と言えるでしょう。学級内や学校全体も組織です。台中という場所に住む私たち日本人も組織の一員だと言えますね。組織において変革が必要だと「分かっている」人は多いと思います。でも、変革のために「自分はこうしたい」と本気で思う人はきわめて少ないのではないでしょうか。その意識を意志に変えて行動に移せるようにするためには、支援してくれる環境、つまり組織の体質がカギになってくると言えます。古い組織では、前任者がやってきたことを変えようとするときには、相当のエネルギーを必要とします。ある地方自治体で職員の研修制度を変えようという話になったそうです。新しい研修をつくることはとりあえずできます。だけど、既存の研修は何か明確な理由がないとなかなか変えられないようです。なぜならば、「昔、○○さんが作った研修なので」というしがらみがあるからです。この種の話はけっこう多いようですね。

 変える力は、“対話を重ねていく”ことから生まれると言えるでしょう。肩書きと立場を背負った会議のような「まじめにまじめな話をする場」や、夜の飲み会のような「気楽に気楽な話をする場」ではなく、『気楽にまじめな話をする場』をつくり、対話することから始めることが第一歩でしょう。必要なのは、一方的なやりとりではなく、対話なのです。ただ、急に「対話をしましょう」と言われても、できるものではありませんね。なぜ人は積極的に対話をしないのかと考えれば、対話をしないほうがとりあえずは楽だからです。日本では、都会のマンションに暮らす人たちは、廊下で会った時でも、せいぜい黙礼をするぐらいが普通ですね。多くの日本人は、付き合いというと、あの『煩わしさ』を思い出すのでしょう。なまじ関わりを持ってごちゃごちゃするよりは、知らん顔しているほうが楽ですよね。しかし、困ったことに“対話”のない組織は変化に対応できないのです。今の日本は、人間関係の再構築が必要とされていると言われています。旧来のムラ社会的な人間関係に針を戻すのでもなく、お互いに知らん顔して通り過ぎる希薄な人間関係に、針を振り切るのでもなく、その中間にあるはずの『新しい時代が必要としている人間関係』を再構築する必要があるのです。その手段の一つが、「気楽にまじめな話をする」ことだと唱えている人もいるのです。
 大人の世界でも、子どもの世界でも重要なことはまさにコレではないでしょうか。学級内や学部内、学校内での諸問題に気づいていても、コレがなければ声に出して言う勇気はわいてきません。自分を後押ししてくれる、支援してくれる支持的風土があるから、子どもたちは『正しいこと』を行うことができる力を身につけることができると私は思います。今回の原稿は、『なぜ会社は変われないのか』という本を書かれた柴田昌治さんの話を参考にさせていただいています。