家庭、地域社会、学校を結ぶ情報通信 NO336
2004年(平成16年)11月19日発行
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大 王 や し |
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発 行 所 台中日本人学校 |
校長室より
校 長 松 井 幹 夫
1.小学部6年生修学旅行を終えて
11月10日(水)から12日(金)まで、小学部6年生は、
| 先のことを考えながら、すばやく積極的に行動しよう!
絆を深め、みんなにとって最高の修学旅行にしよう! |
を目標に2泊3日の修学旅行に行ってきました。
目的地は、台湾の古い歴史が一杯ある南部地方でした。
1日目は、国立海洋博物館・鵝鑾鼻岬を見学し、夜は、台湾の古い住居を移築した墾丁青年活動中心で宿泊。台湾の古い時代に思いを馳せ、波の音を聞きながら就寝しました。
2日目は、台中日本人学校の小学部修学旅行では、いつも心のこもった歓迎を受ける三地國小を訪れ、6年生のクラスと交流しました。和紙で作る人形を教えたり、給食をみんなで一緒にいただいたりと、より交流を深めました。
その後、ルバルバおばさんと陳我安おじさんのお宅を訪問しました。おじさんは留守でしたが、おばさんから貴重な体験談を聞かせていただきました。また、工房では、首飾り・ブレスレットを製作しました。世界に一つしかない個性豊かな作品が仕上がりました。多くの子どもたちから、もう少しゆっくりしたかったという声を聞きました。
夜は、高雄の六合夜市を訪れました。班で活動し、ゲームをしたり、買い物をしたりと楽しいひと時を過ごしました。
3日目は台南を訪れ、台湾精糖の博物館・赤嵌樓・安平古堡を見学し、往時をしのびました。台湾と日本の関係を数多く学びました。
この3日間を通して、子どもたちは、友だちと強い絆を深め、改めて一人ひとりのよさを認め合ったことと思います。
2.マラソン大会に向けて
12月10日(金)の『第11回マラソン大会』に伴う医師による健康診断を、11月4日(木)に実施しました。15日(月)からは、休み時間を利用しての全校練習が始まりました。
なお、練習においては、学校でも子どもたちの健康・安全に十分配慮していますが、ご家庭におかれましても、今まで以上に、毎日の健康観察にご注意お願いします。
学校朝会で発表した「学習発表会」の感想を掲載します。
「ぼくのはっぴょう」 小学部1年 U
ぼくは、本ばんで、さく文をよむとき、すごくきんちょうしました。
ぼくは、れんしゅうのときは、いつもこえが小さいので、なんかいもやりなおしをさせられました。
ともだちやくの「やったー!」のせりふも、大きなこえでいえたので、うれしかったです。
ぼくは、げきがおわってあるいてかえるとき、「やっとおわった。」と、こころがおちつきました。
いえでおかあさんから、
「さく文がじょうずによめたね。」
といわれてよかったです。
「学習発表会の感想」 小学部3年 A
土曜日は、学習発表会でした。学習発表会の朝、わたしは何回もせりふを暗記していました。
さいしょ、上から4年生のげき「西遊記」を見ました。4年生のいしょうは、すごいと思いました。とてもおもしろかったです。
つぎに、わたしたちの番がきました。わたしの番になった時に、きんちょうをして足がふるえていました。だけど、せりふをまちがえずに言えたので、よかったと思いました。
2年生のげきは、スイミーでした。すごかった所は、さいごにまぐろを追い出すために、みんなでいっしょに泳ぐところです。みんながあつまって、魚の形になっていた所が、すごかったです。 1年生のげきは、「いのちのあさがお」でした。
1年生は、長いせりふをよくおぼえているなと思いました。1年生のげきを見て、泣いている人もいました。
5年生の発表は、音楽や歌がとても上手でした。
6年生のげきは、Mくんのおどりがおもしろかったです。
中学部は、たいこをしました。中学生がたたくたいこの音は、とても大きかったです。「ドーン。」とたたくと、「ドーン。」とひびいて、「カッカッ。」とならすと、「ジーン。」ときました。中学生は、すごいなと思いました。
どの学年も、みんなよかったと思います。
「学習発表会をふりかえって」 小学部5年 S
10月30日、ついに待ちに待った学習発表会がやってきました。5年生は、昼休みもけずって練習していた人もいるので成功する自信はありました。でも、やはり自分の前の学年がやっていると、とても緊張していました。そして、ついに自分たちの出番が回ってきました。
最初の劇から始まって、とてもいい調子で進んでいきました。1つめの目玉、みんなで行う演奏「ネバー エンディング ストーリー」を最後までしっかりと気を抜かずにがんばりました。演奏は大成功で、まだ終わりではないのにたくさんの拍手をいただきました。ぼくは「たくさんがんばって練習した成果が出たんだな」と思いました。
次は合唱でした。僕は少し不安な点もあったけど、全力でがんばりました。合唱もたくさん練習したので、とても良いすばらしい合唱ができたと思います。「これも一人一人全力でがんばったから最高の合唱ができたんじゃないのかな」と思いました。そして、最後の礼までしっかりと行いました。僕は「たくさん、たくさんみんなで協力してできたから、5年生が目標にした心を動かす発表ができたんじゃないかな」と最後に思いました。
「学習発表会を終えて」 中学部1年 I
「ありがとうございました。」
心の中にさまざまな気持ちをもちながら終えた学習発表会。わずか2ヶ月しか練習していない短い期間の取り組みでしたが、観客の拍手とともに終わりました。
今、思い出してみると、初めてビデオを見たあの驚き、初めて太鼓のバチを持ったあの恐怖、練習を何度も重ねてきて、やっと全部できるようになったあの喜び、全て、忘れもしない大切な思い出となりました。
約2ヶ月間、ほとんど毎日、練習をしてきました。上手くいかなかったときもありましたが、全て乗り越えてきました。それは、自分の努力だけでなく、友だち、先輩、先生方の応援があったからです。私は、仲間たちと一緒に過ごしたこの2ヶ月間に、「努力」と「協力」を学びました。ひとつのものを完成するには、たくさんの人の協力がないとできないことに気づきました。仲間たちと一緒に作り上げたものは、一人で作り上げたものより何倍も良いはずです。あらためて、ひとりだと何も上手くいかないと思いました。中学部の生徒30人と中学部の先生が、皆心を一つにして、作りあげた「鼓動〜響け、日本の心〜」は、とても最高だったと思います。
観客の皆さんに届いたのは、ただの太鼓の響きだけではなく、「心」も伝わったと思います。今、私は「達成感」を感じています。学習発表会で全力を出し切ったことだけではなく、中学部のみんなが心を合わせて、素晴らしいものを作りあげたことと胸をはっていえるからです。
仲間というのは、ただ何かをするのを協力するだけでなく、相手のことを考えながら、一緒に付き合っていくことだと私は思いました。
「学習発表会を終えて」 中学部3年 F
今年の学習発表会は、僕にとって非常に思い出深いものとなりました。なぜなら、和太鼓を叩くという初めての試みに挑戦することができたこと、そして学年を越えて、中学部全員で学習発表会に取り組むことができたからです。
2学期の初めに、宇治川太鼓のビデオをみて、唖然としたことを今でも忘れません。様々なリズムで、力強く響いている太鼓に圧倒され、とても動きが複雑で、こんな難しいリズムを、全員で叩けるようになるのか、不安でいっぱいでした。
ひとつひとつリズムや振りを練習し、授業の時間だけでなく、朝の会や昼休みの時間も、お互いに教え合いました。しかし、複雑な動きや打ち方を覚え、腰を低く落とし、その姿勢を維持しながら、叩き続けることは容易なことではありませんでした。また、昼休みの練習で、全員が一丸となって練習できないこともありました。練習を呼びかけるといやな顔をする人や、練習に来ないで遊んでいる人がいて、班長としてみんなをまとめるのが大変で、悩みました。「2ヶ月しかないのに、どうして一生懸命練習しないのだろう。みんなをやる気にさせないといけない。」と、焦るばかりでした。でも、ある時ふと、昼休みに一生懸命に練習している仲間をみて、「悩んでいる場合ではない。自分自身がもっと頑張って練習しよう。」と思うようになりました。人に要求するのではなく、自分が、進んで行動することが大切だと気がつきました。それから、自然と気持ちが楽になり、なぜか練習にも今まで以上に気 合いが入りました。
それからだんだんと、仲間たちも練習に意欲的になり、中には手のひらにマメができた人もいれば、腕にばちがあたって、青あざになっている人もいました。発表会が近づけば近づくほど練習に集中し、もっともっと上手に太鼓を打ちたい気持ちになってきました。初めてビデオを見た時の不安は、どこに消えたのか、一つ一つ階段を上がるように、リズムを刻めるようになっていく嬉しさと、仲間と共に練習できる楽しさで満たされていました。ビデオのようにではなく、自分たちの宇治川太鼓の演奏を精一杯頑張ろうと思うようになっていました。
発表会当日、大勢の皆さんの前ということもあり、不安と緊張を胸に舞台に立ちました。とりあえず、気持ちを落ち着かせ、今まで練習したことを思い出しながら無心で太鼓を叩きました。頭の中はパニック状態でしたが、何故か体が勝手に動き、今まで以上にいい演奏ができたと思いました。終わったときの安堵感と、やり遂げた充実感を体中で感じることができました。
仲間がいたからこそできた。そして、太鼓があったからできた。発表会で僕たちの演奏を聞いてくれる人がいたからできた。日本の伝統文化の一つ和太鼓を通して、僕は多くのことを学び、深く感動をしたことを忘れません。
この台湾で、この台中日本人学校で、たくさんの友だち、先生方、僕たちを支えてくださっている多くの方、そして、和太鼓に、心をこめて「ありがとう」を言いたいと思います。「本当にありがとうございました。」
| 窓 |
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ペンリレー
小学部4年担任
昨年の今頃は、まさか自分が海外生活をするようになるとは思ってはいなかった時期でした。そして、1年がたち、海外生活8か月。やっと生活にも慣れてきたと感じられるようになりました。
1年前にいた所は、勿論ふるさとの「秋田県」。日本では、大都市圏を除いて過疎化、少子化が大きな問題になっていますが、秋田県はそれが全国でも進んでいる方の県です。また、東北地方の日本海側にあり、大都市圏に住む人の中には、「秋田県ってどこにあるの?」と思っている人もいるかと思います。
さて、みなさんは秋田県というと何を知っていますか?
食べ物で言うと、秋田音頭という歌に「秋田名物八森はたはた、男鹿で男鹿ぶりこ。能代春慶、檜山納豆、大館曲げわっぱ・・・」という歌があり、「はたはた」「納豆」そして、「きりたんぽ」「稲庭うどん」などが有名なのかと思います。
他には、夏の風物詩「竿灯祭り」、そして「温泉」「スキー」と自然も満喫することができます。「白神山地」はブナの原生林として世界遺産にも指定されています。
みなさんのふるさとはどうですか?
私と同じ秋田県出身の方、他の都道府県の方、台湾出身の方、いろいろいるかと思います。みなさん、私と同じで自分のふるさとが大好きなのではないかと思います。「東京都出身の人は、東京のどこが好きなのかなぁ?」「北海道出身の人は、北海道のどこが自慢できるのかなぁ?」「台中出身の人は、どこが大好きなのかなぁ?」と思ったりすることがあります。
さて台中にきて、私も少なからず、路上のごみと交通マナーには驚きを感じました。しかし、何日かたち、人の優しさや明るさに触れるにつれて、「台湾の良さ、台中の良さはこんな所にあるのか」と、思うようになりました。
大人になると、次第にいいところをみつけたり、よかったと思うところをさがしたりすることが上手でなくなったような気がします。現実的になるからでしょうか?
「子は親を映す鏡」ということわざがあります。前々任校での卒業祝賀会の歓談で、ふと発した言葉でした。あまり深い意味はなかったのですが、保護者の方々から「その通りだよな。実はそうは思っているんだ」などという声が起き、話をどうやって収拾させようかと思ったものでした。
子どもたちには、マイナス面だけを見て、物事の本質(いい所)を見られない子になって欲しくはないし、人のよさ、やさしさを感じて欲しいし、夢をもって欲しいし、うそをつく人間にはなって欲しくないなど、望みがたくさんあります。
ただ、そのためには親として、教師として「鏡」がよく映るようにするために努力が必要なのかも知れません。いろいろな方にお世話になりながら、未来ある、そして可能性ある子どもたちの成長のために、あまり力まず、できることをしっかりと努力すればいいと思っています。
ふるさと秋田は、もうすぐ冬。初雪も降り始める頃。タイヤをスタッドレスタイヤにかえ、冬支度。これから長い冬を迎えます。今年は、台風の上陸が多かったため、塩害がおこり、米の収穫量に大きく影響を与えているとのこと。
台湾は、11月の中旬になっても最高気温は30度以上。まだクーラーが必要です。この2つの大地に抱かれながら、その大地の暖かさを感じながら、これからも頑張っていきたいと思っています。
好きな歌の歌詞です。雪国の自然を歌っています。
フ レ ト イ
雪がやみ 雲が切れ 太陽が輝く どこまでも続く 白い大地 そして真っ青な空
風が吹く 強く吹く 粉雪を巻き上げ 一面に舞った雪 陽の光受けて まぶしい
やがてまた 空一面を 鉛色した雲が覆い 雪を降らすだろう ほんの一時だけど
雪がやみ雲が切れ 青空と白銀の世界の中 生きている ぼくらは生きている
北の大地で
2004年度子ども相談室より−13−
子ども相談担当
苦手な子の気持ちも考えて「励まし」を。
15日(月)から、校内マラソン大会に向けての練習が始まりました。月・火・木・金の週4日間、5分間走ります。この取り組みは、体育教師の加藤先生と北見先生が「台中日本人学校の子どもたちの体力を向上させたい。」という熱い願いから始まりました。普通は体育の授業中にマラソンに向けての練習をするのでしょうが、それだけでは“めざす力”を養うことができないと考え、時程を調整することで5分間走る時間を作り出しました。
当時は、子どもたちの中からも「えーっ!?」という声も聞かれましたが、4年目を迎える今年はそれが『当たり前』になってきているので、元気よく1周200mのグランドを走っています。もちろん、小学部と中学部では練習でも走る距離は異なります。個人によっても5分間という限られた時間内で走れる周回は異なります。でも、自分の体力や走力に応じた目標を設定して走っています。
運動が苦手な子や走ることが苦手な子にとっては、この時期はとても苦痛かも知れません。でも、学級の友だちががんばっている姿を見て自分もがんばろうという気持ちになる子もいます。最後まで自分のペースを崩さずに走る子もいます。
私は、この「苦手意識を抱いている子どもたち」に視点をあてた声かけ(指導)を学校でも家庭でも行っていくことが重要であると考えています。確かにお互いが競い合うことも大切です。その結果、自分の力も伸び、友だちの力も伸びることもあるでしょう。しかし、「勝つことだけ」を目標にするのはいかがなものでしょうか?大切なことは、子どもが日々の積み重ねや自分の努力により、タイムが縮んだことを実感したり、練習中・競技中にお互いを励まし合う心を育てることであり、何よりも『やればできる』ことを実感することではないかと思うのです。
一人ひとり顔が違うように、人によって食べ物の好みが違うように、運動能力にも学習能力にも違いがあります。その違いを認め合える心を育て、自分も伸びるし友だちも一緒に伸びていく、そんな支持的風土を学級や学校の中で育んでいくことが日本の教育の大きな目標だと捉え、日々の教育活動を行っていきたいと考えています。
子どもが自己目標を設定し、日々の練習で目標実現をめざして努力する姿を感じ取ることができれば、たとえ1位になれなくても親として精一杯ほめてあげたいと思います。日頃あまり親としての責任を果たしていないけれども、そういう時は親としての責務を果たしていきたいと思う私です。
感性が支える知性の育成
先日、机の中を整理していたら一冊のファイルが出てきました。「なつかしいな〜」と思って手にとり、パラパラとめくっていくと1枚の新聞記事の切り抜きがありました。内容は、東京農業大学教授で教職・学術情報センターの渡部邦雄教授が書かれたものでした。
その中の一部を紹介しましょう。
「日本人から良心が消えつつあるのではないか、とふと不安になる。感性が病む時代になった感が強い。少年たちによる殺人事件の多発、モラルハザードが叫ばれる大人社会、自己中心性の肥大化など社会病理現象があらわになっている。問題はこれからの日本を担う若者たちの間に、その兆候が顕著なことである。
学校では、いじめ、暴力行為、不登校などが日常化し、学級崩壊も広がりつつある。子どもに生命尊重の精神、自律心、思いやり、感謝の念、感動する心、社会性、創造性などが欠けてきている。これらをはぐくむためには、子どもの「感性」を発達させ、錬磨する必要がある。
感性とは、価値あるものを心に感じ取る力、感じ取り価値感情を湧き起こす力だ。人間が心的、知的、創造的な面で活性して生きる上での源泉となるものである。各人のもつ感性こそが、心豊かな人間を育て上げる土台だと言える。
豊かな感性を育成するには、ヒト、コト、モノに対する直接的な触れ合いの場や機会を増やすことが大切だ。例えば、思いやりの心を育てるには、現実の生活の中で、人との対立や協調、挫折、苦悩、喜び、悲しみなどを実感する体験を繰り返し与えることである。頭だけからの理解とは異なり、自らの五感を総動員することで、ものごとは臨場感をもって迫ってくる。それによって、ものの見方、感じ方が豊かになり、感性がはぐくまれる。体験が人間を作ると言われるゆえんである。」(以下略)