家庭、地域社会、学校を結ぶ情報通信 NO323
2004年(平成16年)3月19日発行
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大 王 や し |
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校長室より
校 長 松 井 幹 夫
1.小学部第24回卒業証書授与式を終えて
3月12日(金)に行われました小学部第24回卒業証書授与式に、ご多忙のなか、台中日本人学校運営委員長 山田 建男様、日本交流協会台北事務所 総務部主任 服部 幸司様を始め大勢のご来賓の皆様、保護者の皆様にご臨席いただきありがとうございました。卒業生は、5名と少人数でしたが、小学部・中学部の在校生の温かい心に祝福され、「友との絆」をいつまでも大切にする思い出多い式となりました。
義務教育前期の課程を終えた卒業生は、新しい中学校生活や学習への喜びと希望を胸に母校を無事巣立っていきました。
2.一年間を無事終えて
本日、修了式・離任式を無事終え、平成15年度の教育課程がつつがなく終わりました。本年度は、SARSの影響で一週間遅れの学校運営のスタートとなりましたが、学校運営委員会・PTA・保護者の皆様のご支援・ご協力・ご理解のお陰で、子どもたちに大きな病気・ケガ等なく、一年間を終えることができました。ありがとうございました。
保護者の皆様の学校に対する思いを十分にくみ取り学校運営に反映できなかった点が多々あったことをお許し願います。
3.6名の先生方が帰国されます
お世話になった北見 裕教諭(茨城県)、田中 里佳教諭(東京都)、野口 弘之教諭(神奈川県)、加藤 洋之教諭(京都府)、梅田 良佳教諭(奈良県)、今井 昌伸教諭(広島県)の6名の先生方が、本年度で任期を終え、帰国されます。先生方におかれましては、それぞれが、子どもたち、保護者の皆様から信頼され、教員としてそれぞれのお立場で素晴らしい実績を残され、台中日本人学校に多大な貢献をしていただきました。本当にありがとうございました。帰国されても、台中日本人学校で培われた国際性豊かな力を日本国内の子どもたちのために発揮してくださることでしょう。今後とも、台中日本人学校を大王やしの木と共に、いつまでも忘れずに、見守り続けていただければと思っております。
健康でますますご活躍され、台湾と日本の架け橋となってくださることを祈念いたします。
窓
小学部卒業式
3月12日(金)小学部卒業式が行われました。卒業生は立派な態度で式に臨みました。また、在校生も卒業生を心から祝福する気持ちが態度に表れていました。





卒業生 「別れの言葉」
卒業式で、小学部6年生が在校生に送った、別れの言葉を紹介します。
卒業生全員合唱「上を向いて歩こう」アカペラ
「自信」
とうとう旅立つ時がきた。これから僕が進む道は、僕にも見えない。心の中の少しの不安と、大きな期待。
これから待ち受ける僕の道を、この学校でつかんだ「自信」を胸に、突き進みたい。
大きな石が立ちふさがり、風が横から殴りかけ、雨が視界をさえぎろうとする、たとえそんな道であっても、そこに一筋の明かりを見つけ、突き進みたい。
大王やしが、空にまっすぐ伸びていくように、僕の心もまっすぐ前を見ていたい。
乾燥した大地に、たくましく根を張るバナナの木のように、僕の足で、しっかり大地をふみしめたい。
自分の足で、僕の歴史を刻みたい。今こそ、その勇気を試すときだ。
「友」
運命を感じる出会い。あなたとの出会いが私を変えました。
ここにいる君との出会い、それが私をここまで成長させてくれたと感じています。
あなたの存在なしには、きっと今の私はありえない。
やさしく言葉を教えてくれた、あなたの目に光る優しさを、いつも感じていました。
あなたと接することで、自分らしさを出すことが出来ました。
もう会えないと思っていたあなたが、来てくれた事が、私に勇気をくれました。
あなたの笑顔にいつも励まされた私。そんな君の笑顔と、もう会えない。
あの教室での笑い声が聞けなくなるのは、とてもさみしいです。
これからも、ずっとそばで語り合っていたかったから。
出会いに、別れはつきものです。でも、まだ「さよなら」は言いません。
きっと、どこかでまた会って、言葉を交わす日がくることを信じているから。
「和」
6年教室に貼ってある6枚の「和」。
元気のある「和」、穏やかな「和」、少し傾いた「和」、語りかけてくる「和」。
でも、どの「和」も個性があって、とっても輝いて見える。みんなのおかげで、僕が僕らしくできた。
今「和」をつなぐ糸は、大王やしのようにまっすぐで、ガジュマロの木のようにたくましく、布を織り成す縦糸と横糸のように、しっかりからみあった。
「和」があったから成功した修学旅行。「和」を感じた学習発表会。「和」がつまった卒業アルバム。
アルバムには、「和」がいっぱいつまっている。とびっきりの笑顔とポーズ。
これがぼくらの創り出した「和」。
君と作り出したこの笑顔、この笑顔を胸に僕は旅立ちます。
明日の笑顔を求めて、夢に向かって強く生きていきます。
「協力」
みんなで協力して成功させた喜び。
この喜びの重さは、それまでの苦労の分だと分かった。
苦しかったとき、悩んだとき、そんなとき心の支えになったのが、みんなの笑顔と励ましだった。
今までいつも隣にいたあなた。心の支えとなっていた、君がいなくなる。
新しい自分を作り出す勇気をくれたみんな。みんなの声が聞けなくなる。
でも、みんなと分かち合った苦労は忘れません。みんなと協力して歩んだ道を無駄にはしません。
喜びは、苦労があるから感じられる。幸せも、苦労があるから感じられる。
支えてくれた、みんなと共に味わうことが出来た喜びに、一番の幸せを感じた。
時にはけんかもし、口も利かなかった、あなたとの協力があつたから、今の喜びがあるのです。
輝きには、陰がある。そんな陰になって支えてくれた、みんなに伝えたい一言
「ありがとう」
「感謝」
新しい道を教えてくれた、お父さん。
夜遅くまで私の道を考えてくれた背中に、大きな優しさと深い愛情を感じました。
この六年間、毎日送り迎えをしてくれた、お母さん。
暑い日も、雨の日も、疲れていても、私のために運転してくれた、お母さん。
学校での晴れない気持ちも、お母さんの横顔を見ることで安らぎました。
お父さん、お母さんの愛情をいっぱい感じることが出来た私は、幸せです。
すばらしい友との出会い、多くのすばらしい経験を体験できたのも、この道を与えてもらったからです。
これから、私が進む道には困難が待ち受けています。でも、その困難に必ず打ち勝って見せます。
お父さん・お母さんに、とっておきの笑顔を届けます。私に強い勇気を与えてくれた、お父さん、お母さん。
今は、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に、ありがとうございました。
在校生の皆さん、先生方。
今日の日があるのも、みなさんのおかげです。
共に笑い、泣いた日があるから、今のわたしたちがあります。
これまで過ごした日々を、心に刻み、
これからも自分の足で、しっかり歩んでいきます。
2004年、平成16年春、卒業生一同
児童会活動を振り返って
会長
今年は、児童会の会長として長く印象深い一年間でした。
何もできなかった最初のころの自分と、今の自分を比べると、少しずつ成長してきた自分を振り返ることができます。交流会のレクを考えたり、小学部の問題点を話し合ったり、児童会の活動を中心になって頑張ってきました。
自分にとって一番よかったことは、人前で自分の意見や思いを伝えることができたことです。これから歩む中学部生活は、今と比べたら全然違いますが、今までのことを生かして頑張りたいと思います。
副会長
この一年間児童会の活動の中で、特に頑張ったことは宿泊学習と学習発表会です。この2つの行事では、色々な担当をし、とても忙しかったです。でも、やり終えた後の達成感をたくさん味わうことができました。これが、児童会役員になって良かったと思う点です。
来年度は、小学部で頑張ったように中学部で頑張ろうと思います。来年度の新児童会役員の人たちも頑張ってください。
副会長
児童会での仕事は、思っていた以上に苦労することが多かったです。しかし苦労が多かっただけ、成功した時の満足感もたくさんありました。僕はこの三月で台中校を去りますが、来年度の新児童会役員の人にも台中校をまとめ盛り上げていってほしいと思います。
書記
私はこの一年間の交流会や集会で、「司会」や「はじめの言葉」の担当を決めるときに、自分から手を挙げて、児童会の仕事を積極的にするようにしました。はじめは、人前で話をするのは恥ずかしかったのですが、やっていくうちに楽しくなってきました。
また、夏の暑い日も、冬の寒い日もあいさつ運動を頑張りました。小学部全体があいさつできるように、定例会で話し合い、いろいろな取り組みを決めました。看板を作ったり、曜日を決めて各学年があいさつ運動に参加することを呼びかけたりもしました。最初の頃に比べて、あいさつしてくれる人が多くなってうれしかったです。一年間ありがとうございました。来年度の新児童会役員のみなさん頑張ってください。
書記
私は、児童会役員の書記として、いろいろな事を頑張ってきました。その中で、一番印象的なのはあいさつ運動です。寒い日も暑い日も一生懸命頑張りました。
反省する点は、交流会や集会の「はじめの言葉」の担当になった時、上手に言えなかったり、時には忘れて、当日の朝あわてて準備をしたときがありました。
新児童会のみなさん、一年間頑張ってください。
委員
僕が委員として頑張ったことは、一つ目はあいさつ運動です。初めは小さい声でしたが、だんだん大きくなり、今ではとても元気に、みんなにあいさつできるようになりました。二つ目は宿泊学習のキャンプファイヤーです。火の子の役になって誓いの言葉を、大きな声でがんばって言うことが出来ました。
4月から副会長として、色々な交流会を計画し、楽しい児童会にしたいと思います。
学級代表から
6年生
この一年間、私は前期と後期の学級代表を務めました。児童会での思い出は、定例会で、一緒に意見を出し合ったことやみんなで交流会が出来たことです。どれも私の大切な思い出です。もう小学部のみんなで交流会ができないことがとても残念ですが、小学部の絆が深まったことがとても嬉しいです。この一年間ありがとうございました。
5年生
この半年間、学級代表として朝のあいさつ運動や交流会などの準備を頑張りました。児童会でたくさん話し合い、小学部みんなで楽しく交流会ができよかったと思います。でも、ときどき遅刻や学校を休んだりして、児童会のみんなに迷惑をかけたこともありました。来年度は、みんなから信頼される6年生になりたいと思います。
4年生
僕は今年初めて学級代表になりました。児童会の仕事も一生懸命に頑張りました。でも一つだけ出来なかったことがあります。児童会新聞の原稿を、期限までに提出できなかったことです。他の仕事と重なってしまい大変でしたが、期限は守らなければいけないと思います。今度また学級代表として、児童会の事務局に参加できた時は、同じ失敗をしないように気を付けようと思います。
3年生
ぼくは、最後の最後に学級代表になれました。なぜ最後の最後かというと、今年で僕は帰国するからです。僕は学級代表として頑張りたいことがありました。それは、定例会で話し合ったことを、クラスのみんなにわかりやすく伝えることでした。僕は、それが達成できたのでよかったです。また、あいさつ運動も大好きでした。なぜかわからないけど、あいさつをしていくうちに楽しくなっていくので、不思議でした。
後期学級代表として、あいさつ運動をしたり、色々な活動を考えたりしたことを、これからの普段の生活に生かしていきたいと思います。半年間ありがとうございました。
2年生
最初に学級代表になった時は、大丈夫かなぁと思いました。それは、日本から戻ってきて、いきなり学級代表になったからです。でも、その思いは捨てて、新しい自分に変わって頑張りました。交流会の準備や色々な仕事をして、たくさんのことを学びました。学級代表になった時の弱い自分ではなく、今は強くなった自分だということがわかります。これからも頑張っていきたいと思います。
1年生
僕が児童会の仕事でがんばったことは、毎週月曜日にある定例会にがんばって出席したことです。僕は、みんなが言っている内容がよくわからなかったことがあります。その時は、上級生のみなさんたちが、やさしく教えてくれました。そして、教えてもらったことをノートに書いて一年生のみんなにがんばって「あいさつ運動」「交流会」などいろいろなことをがんばって話しました。児童会はとても大変だったけど、頑張りました。
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帰任される先生から
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北見 裕 教諭
台中日本人学校での3年間は、本当に楽しかった。輝く瞳と澄んだ心を持った子どもたちと、共に生活した想い出はいつまでも忘れることはないでしょう。
1年目、沢山の野菜や果物を育てたね。あの時みんなで植えたバナナは、もうあんなに大きくなったんだよね。運動が好きな子が多く、特に水泳は上手だったね。昼休みは、よくドッジボールをして遊んだね。
2年目、期待に胸を膨らませて入学してきたメダカたち。毎日が驚きと発見の連続だったね。親子で挑戦した、ステンドアート・昔の遊び・パン作り体験、どれも本当に楽しかったね。昼休みは、影踏みやこおり鬼をして遊んだね。
3年目、“史上最高のクラス”を目指して頑張った子どもたち。私が今まで出会ったなかで、最高の中1だった。勉強・運動・行事・生活、何をやっても素晴らしい動きをしてくれた。みんなで踊ったchoo choo trainは、最高だったよね。
3年間、あっという間の3年間、本当に楽しかった。私の周りにはいつも、かわいい子どもたちと、協力的な保護者の皆様と、信頼できる同僚と、大切な家族がいました。私を支えてくれた全ての人々に感謝して、台湾を去りたいと思います。ありがとうございました。
田中 里佳 教諭
思いもかけずに今年度,帰国することになりました。2年間でしたが本当にお世話になり,感謝の気持ちで一杯です。
台湾に来た2年前は,本当に右も左もわからず,もちろん中国語もわからず大変でしたが,台中校の子どもたち,また保護者の皆様,同僚に恵まれ,忙しい中にも充実した日々でした。特に,子どもたちには多くのことを教えてもらいました。音楽をこのように表情豊かに表現する子どもたち,本当に心がまっすぐで台湾の太陽のように光り輝いていると思いました。また,今年度は担任を持たせてもらい,昨年にも増して保護者の皆様とお話しする機会が増え,それと同時にお気遣いいただいたことも数多くありました。連絡帳での励ましのお言葉や,音楽発表があるたびに参観してくださったことなど,日本ではなかったことです。あと一年,台中校にいたかったと思います。2年間,本当にありがとうございました。
野口 弘之 教諭
「光陰矢のごとし」の言葉通り、あっという間の三年間でした。今、ここに大過無く、任期を終え、帰国できることに感謝しています。私及び私の家族を支えて頂いた、すべての方々に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
振り返れば、この三年間、決して平坦な道ではありませんでしたが、さまざまな人々と出会い、励まされ、支えられていたからこそ、今日のこの日があるのだと思っております。
異国の地への赴任ということで、当初は戸惑いながらの仕事であり、生活でしたが、この「台湾」という「很好的地方」のお陰で、快適に過ごすことができましたし、素晴らしい方々と出会うことができて、本当に幸せでした。中でも「台中校」の子どもたちの純粋で素直な姿は、常に私自身の支えであったように思います。
私も私の家族もこの地での、たくさんの「出会い」を一生の宝物にすることでしょう。また、いつかお会いできる日を楽しみにしております。「謝謝!」「再見!」
加藤 洋之 教諭
3年間の時を共に過ごした全ての人に感謝です。そして、麗しの台湾に感謝です。謝謝。これまでの出会いを大切に、これからの出会いを期待しながら、私は現任校へ帰ります。みなさん、お互いに頑張りましょう。さようなら。
梅田 良佳 教諭
この3年間、本当にいろいろなことがありました。今、思えばこの国には本当に宝物がいっぱいあったように思います。1年目は小学5年生の子どもたちから多くのことを教わりました。2年目は小学3年生の子どもたちと多くの経験をすることができました。そして3年目は中学2年生の子どもたちと多くのことに挑戦してきました。この3年間、一緒に歩んできた子どもたちと同僚の先生方。すべてが、かけがえのない大切な宝物です。その宝物をいっぱい船に積め、日本へ戻ります。また、いつの日か宝物を探しにこの島まで旅をしてきたいと思います。今までご支援いただいた保護者のみなさまを始め多くの方々、本当にありがとうございました。
今井 昌伸 教諭
3年間お世話になりました。ありがとうございました。

先生方、今まで本当にありがとうございました。再見!!
子ども相談室より−20−
子ども相談担当
「助けて」と言える勇気を育てよう
残念なことですが、この世に人間がいる限り争いごとはなくならないでしょう。学校で言えば「イジメ」に似た言動もなくならないでしょう。社会生活の中で、人間同士が他人をねたんだり、他人の陰口を言ったりすることは日常茶飯事です。人に暴言を吐いたり、暴力を振るったりするようなことは、毎日、どこかで行われているでしょう。それらは、人間が存在してきた大昔から続いています。
私たち大人の社会に、このようなイジメがあるのに、学校の中でだけイジメをなくそうとしても、無理な話です。子どもは無垢で純粋な心を持っていますが、天使ではなく人間です。人間は、子どもであれ大人であれ、すばらしい存在ですが、同時に惨めな存在でもあります。多くの善を行いますが、誰もが同時に心の中に悪への傾きをもっているのです。
子どもが大人のようにストレスをためている現代社会では、その悪への傾きによって、大人と同じような悪い言動をとるのは至極当然なことだと私は思います。もちろん、イジメをなくすための努力は必要です。しかし、学校に人間がいる限り、イジメは根絶できないのだと思った方が精神衛生上もよいのではないでしょうか。
では、どうすれば子どもは、この悪の絶えることのない社会で生き抜いて行けるのでしょうか?それは、子ども自身が強くなるしかないと私は思います。たとえイジメられても、それを跳ね返すだけの力をつけさせることが重要だと思うのです。
イジメは、まず、自分はイジメられていると思うことで問題となります。周りの人は、みな聖人君子ではありませんから、時には、その人をねたんだり、悪口を言ったりするかも知れません。それは、どこの学校でも、どんな社会でも起こりうることです。誰にでも経験のあることではないでしょうか。
それをイジメだと捉えるか否かは、その人の心のあり方によります。一度か二度のことなら、あまり気にしない方がよいかも知れません。周りの人の精神的な弱さのなせる業だと受け止めた方がよいでしょう。イジメはたいてい強者から弱者への攻撃ですが、イジメを行う強そうな人は、本当は心の弱い人なのではないでしょうか。
しかし、イジメが頻繁に起こるのであれば、子どもに敢然と立ち向かわせ、闘わせるべきだと私は思います。方法はいろいろあるでしょうが、まずイジメに決して屈しない、姿勢を育てることが大切であると思うのです。
何度も言いますが、イジメは決してこの世からなくならないでしょう。ですから、イジメを受ける可能性は、誰にでもあるのです。
イジメられた時、子どもの示す反応にはふつう二通りあります。『イジメに対抗する』か、『屈服する』かです。屈服したままでは、何も解決しません。イジメを行う者をさらに助長させ、イジメという悪を一段とはびこらせるだけになってしまうでしょう。イジメには対抗しなければなりません。そこで、子どもがイジメに屈しない方法を考えて見ましょう。
子ども自身が、悪に敢然と立ち向かうための体力と精神力を日頃から鍛えておくことが重要です。つまり、簡単にはイジメられない、たくましい人間に育てることです。仮にイジメにあっても、正義の鉄拳をもって、悪を懲らしめれるぐらいの人間に育てるのです。仕返しをすればケンカになりますが、イジメに屈服したまま悶々と苦しみ、自殺するよりもずっとその方がいいと私は思うのですが、みなさんはいかがでしょうか。
しかし、そうは言っても、イジメてくる相手より誰もが強くなれるわけではありません。現実の問題として、多くの場合、その子どもは相手より弱いからイジメられるのです。また、相手が大勢であれば、いくら強くたくましい子でも、正義の鉄拳は通用しないのが普通です。そのような時には、次の方法を提案します。
イジメられていることを誰かに伝え、訴えさせるのです。そして、助けを求めさせるのです。人に助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。
それは正当な自衛手段なのです。
これ以上、悪をはびこらせないための正義の闘いなのです。イジメられている子は、イジメられていることを隠そうとすることがあります。また、口止めされている場合もあります。ですから、誰かに悪の存在を伝えて、解決しようとする態度は、実はたいへん勇気ある行動なのです。
子どもに日頃から言っておくことも大事でしょう。
『もし、あなたが誰かにイジメられて苦しんでいても、まわりの人は誰も気づいてくれないかも知れないよ。先生や親が、いつか気づいてくれるだろうと甘えないように。もしそういうことがあったら、自分の口からはっきり言いなさい。それは悪に対する勇気ある闘いなんだよ』と。
4月から、毎回大王やしに掲載してきた「子ども相談室より」も、今回で最終回になります。子育てのことから話が始まり、保護者として、子どもと接する際に留意していただきたいことなどを中心に書いてきました。私自身の考えもあれば、教育書や様々な専門書から内容を引用させていただいたこともあります。今回、子ども相談を担当したことで、私自身も勉強することができ、子どもたちや保護者の皆様に接する際の幅が広がったように思います。原稿は今回で最後ですが、学校には子どもたちの相談や保護者の皆様の御相談に、親身になって取り組んでいただける先生方が多数いらっしゃいますので、お気軽に御相談下さい。