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ペ ン リ レ ー
ここには、保護者や地域の方、学校関係者からの思いをリレーの形で掲載させていただきます。今回は、台中日本人学校 小学部2年担任です。
文字が与える力って大きいと思いませんか?
今年もまた「ペンリレー」の順番が回ってきました。台中日本人学校に来て三回目のペンリレーの執筆です。1年目は何を書いたのかはっきりとした記憶が残っていません。2年目は『子どものころになりたかったものを覚えているか』という内容で、自分の人生を振り返ってみた記憶があります。そして3年目の今回、「何を書こうか?」と頭を悩ましています。なぜならば“大王やし”には毎号『子ども相談室より』とういう原稿を寄稿しているので(いわゆる大王やしの常連)、改めて「ペンリレーは先生の順番です。」と言われても書く材料がないのです。
「人を外見だけで判断してはいけない。」とよく言われますが、私もそう思います。例えば、私は見るからにゴツい体型をしています。福岡にいた頃も「上半身異常発達」と言われていました。私が先生だと知った人は最初に「体育の先生でしょう!」と言います。でも、「いいえ、社会の先生なんです。」と言うと、「えーっ!」と驚きの声をあげる場合が圧倒的に多いですね。一般の人々には、筋肉質の人⇒体育系⇒頭も筋肉⇒文章なんて書かないでしょう?という思考回路が存在するのかも知れませんが、私はその常識を打ち破ってみたいと思い、読書に勤しみ、文章を吉田兼好のように「徒然なるまま」書くようにしています。

大王やしの「子ども相談室より」だけを読んだ人は、まさか私のような人物があのような原稿を書いているとは想像もつかないでしょう。意外性があるから世の中は面白いんですけどね。こう見えても私は『書くこと』が基本的には好きなんだと自分でも思います。
好きだからどんなに忙しい時でも書くという行為を継続できるのでしょう。『好きこそものの継続なれ』という言葉を昨年度の荒木PTA会長もペンリレーで書かれていましたが、その通りだなぁとつくづく思います。パソコンに向かってキーボードに指を置いたら自然と頭の中に文章が浮かび、気がつくと指がキーボードを激しく叩いているのです。職員室の遠くの席に座っている中学部のU先生・K先生・K先生のところまでその音が響いてくるそうです。K先生からは「キーボードが可哀想」と、勢いよくごつい指に叩かれるキーボードに同情するコメントを頂いたこともあります。
私は台中日本人学校に来るまでは、コンピュータと無縁の人間でした。「メールって何?」「デジカメってそんなに便利なの?」と最新のテクノロジーを信用しない頑固なワープロ派でしたが、今ではよき指導者にも恵まれ、コンピュータで書くことにも慣れました。
『書くことが好き』だと思える理由のもう一つに、手紙やメールなど自分がもらった時に「嬉しいな!」と感じることができるからでしょう。私自身、誰かに手紙を書いたりメールを送る時は、“その相手”のことしか頭の中にはないのです。その文面を書いている時だけは、相手も私のことを、私も相手のことだけを考えていると言っても過言ではないでしょう。例えば、私たち教師が学期末に書く通知表の所見も、一人ひとりの子どもたちの顔を思い出しながら、その子のことだけを考えながら文章に表現していきます。だから時間がかかるんです。
台中日本人学校に来て大切にしている手紙が3通あります。封を開けた後に、ジーンと心に残る言葉が紙面上に並んでいました。それに、文字の裏からにじみ出て来る「気持ち」を感じることができたから、今でも大切に机の中に保管をしています。その一部を紹介しましょう。

この金閣の絵葉書をくれた子どもの気持ちが嬉しくて、今でもちゃんと机の透明マットの間にはさんでいます。“モノ”のおみやげも嬉しいけど、“気持ち”のおみやげが一番嬉しく感じました。
もう1通の手紙は、ある朝、ある子から渡されたものです。
どんなに疲れていたって、このような手紙をもらったらまるで“ユンケル皇帝液”を100本ぐらいまとめて飲んだようにパワーが沸いてきますよね?大切な宝物です。
最後の1通は、それは秘密です。真っ白な手紙の表面からまるであぶり出しのように『想い出』という文字が浮かび上がってくる手紙です。
手紙とは趣が異なりますが、時々届くメールにも励まされることが多々あります。あのコンピュータを開いたときに独特の音を立てて「あなたにメールが届いていますよ〜。」と教えてくれる瞬間、『おっ、誰からだろう?』と少し胸をドキドキさせることがありませんか?文字で相手に気持ちを届けることって、とっても素敵ですね。
でも、こんなことをペンリレーに書いていたら、「あなたはいったい誰から手紙をもらって、誰からメールをもらっているの?」と太太に追及されそうな気もしますが、それこそ人と人の出会いは『一期一会』であり『偶然』でもあるんですよね。たった一度の人生ならば、できるだけ多くの人に出会い、多くの人から様々な影響を受けたり与えたりしながら生きていきたいと思います。台中に来たからこそ出会えた人もいます。福岡を離れても連絡をとってくれる仲間がいます。台中を去っても近況報告をしてくれる仲間もいます。
このコミュニケーションの手段の多くは“文字”による意志の伝達です。現在は携帯電話や国際電話という便利な機器が普及しているから、リアルタイムで生の声を聴きながら会話を楽しむこともできますが、私は古いタイプの人間なのでしょう、電話よりも文字によるコミュニケーションの方が好きなのです。声は残らないけど、文字は残るからでしょうか。文字は、コミュニケーション以外にも考え方に影響を与えてくれるものですね。それは本との出会いから始まります。たまたま手にとった一冊の本からたくさんのことを学んだり、感性が豊かになることがあります。そういうときはとても幸せな気持ちになります。
様々な本から、様々な名言に出会い影響を受けてきましたが、いつも机の横の見えるところに貼っている文章を紹介して、今回のペンリレー(いつのまにか3枚にもなってしまいました)を終了したいと思います。
一、仕事は自ら、「創る」べきで、与えられるべきではない。
二、仕事とは、先手先手と働きかけ、受身でやるものではない。
三、「大きな仕事」と取り組め。小さな仕事は己を小さくする。
四、「難しい仕事」をねらえ。それを成し遂げるところに進歩がある。
五、取り組んだら「放すな」。
六、周囲を「引きずり回せ」。引きずるのと引きずられるのとでは長い間に天地の開きができる。
七、「計画」をもて。長期の計画をもっていれば、忍耐と工夫と正しい努力と希望が生まれる。
八、「自信」をもて。自信がないから君の仕事には迫力も粘りも厚みすらない。
九、頭は常に「全回転」。八方に気を配って一分のすきもあってはならぬ。サービスとはそのようなものだ。
十、「摩擦を恐れるな」。摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと、君は卑屈未練になる。
(ある企業の10か条だったと思います)
ここまで長い黙読をしていただいた読者の皆さん、本当にご苦労様でした。2003年(平成15年)もまもなく終わろうとしています。去りゆく年を惜しみつつ、新たに迎える年が皆さまにとって希望に満ち、幸せであることを祈りつつペンを置かせていただきます。
子ども相談室より−15−
子ども相談担当
相手の心を開かせる大切なポイント
相手の心を開かせる大切なポイントは、子どもたちに対してもそうですし、大人でも様々な場面で活用することができると思います。
(1)総論オーケー、各論ダメ
まず相手に対して、総論はオーケー、「あなたはオーケーな人ですよ。だけど、各論、この部分は問題ですよ。」というように言っていく。これが基本になるでしょう。
よくないのは、「あなたはダメな人。だけど、いいところもある。」という言い方です。これは、「総論ダメ、各論オーケー」という言い方です。ついついこちらが腹を立てていると、顔を見たとたん怒りがガーッとわき上がってきて、「おまえ、何てことをしてくれるんだ!やっぱりおまえだな!」みたいな感じで、総論はダメと言ってしまうのですが、それでは相手は、反発するだけです。だから、「あなたはオーケーな人なんですよ」ということをまず伝えることが大切ですね。
(2)サンドイッチ法
次に、サンドイッチ法という方法があります。これはさっきのことに関連しますが、話の順序ということです。まず何か相手の悪いところを伝えようとする場合は、必ず相手のよいところで前後を挟むということです。
「あなたはいつもがんばっている。だけど今回こういうミスがありました。きっとよっぽどの事情があったんだね。期待しているんだから、これからはきちんと頼みますよ。」
“いつもキミはしっかりやってくれている”というように、悪いことを言う時も、長所で挟むということなんですね。こう言われると、実際は注意をされたのに、なんだか、ほめられたような気になって、ともかく、ミスはあったが、それを挽回するためにがんばろう、という気持ちになります。
これが逆に、悪いことでいいことを挟んでしまうとどうなるかというと、「もうなんてことをやってくれるんだ。確かにキミもがんばっている部分はある。だけど、こんなことをやったら、もうどうしようもない。」
これでは、相手もやる気をなくすだけでしょう。
(3)シーソーの法則
それでも相手が心を開いてくれない場合に使うのが、シーソーの法則です。ここにボールがあると考えてください。このボールをこちら側に持ってくるにはどうしたらいいかというと、2つの方法があります。1つは向こうを上げる。もう1つはこっちを下げる。
どういうことかというと、相手の心をこちらに開かせる時にどうしたらいいかというと、相手を持ち上げる。がんばっているのはあなたですよ。そして自分を下げる。がんばっていないのは、自分。
そうすると必ず相手の心は、こちらに来てくれる。
具体的には右の図を見てください。上の図は、自分を下げることによって、相手の心が自分の方へ向いてくることを示しています。下の図は、それを逆にして、自分はこれだけがんばっているのに、あんたはちっともがんばっていないというふうに言うと、必ず相手の心は離れていくということを示しています。
いかがでしょうか?「自分を下げる」ということはなかなかできないことですが、相手の心を開かせるためには、ぜひとも身につけておきたい技術の一つと言えますね。
今回は、教師としての技術的なことを述べてきましたが、この前提として大切なことがあります。それは「相手の力になりたい」という気持ちです。これがなくては、単なるテクニックになってしまいますし、相手にはすぐわかってしまうでしょう。相手に求められ、援助する人にまず求められるのは、この心でしょう。
<ちょっと一休み 相談室裏の話>
「何歳頃までサンタクロースの存在を信じていましたか?」と聞かれたら、あなたはどのように答えますか?人によって答えは違うでしょう。我が家では、子どもたちに夢と希望を与えるために、クリスマス・イブの夜は父親がサンタの衣装を着て家にプレゼントを運ぶという「年中行事」を続けています。もちろん、一番下の子どもを除いて、みんなサンタが偽者で、父親だということは分かっていますが、サンタの衣装を着てプレゼントを持って帰ってくる父親を見る目は輝いています。その目を見るために安売りで買ったサンタの衣装に車の中で着替えるのです。顔には両面テープで白いひげとまゆをつける。どこから見てもお父さんとはバレない格好なんだけど、唯一、靴だけはいつも履いているテニスシューズだったことが、「サンタクロースはお父さん!」とバレる原因でした。来年は赤いブーツでも買おうかな?そういえば、2年前に中学部で行ったアンケートで「台中校のサンタクロースと言えば誰?」という質問に、圧倒的多数でサンタさんに選ばれたっけ。トナカイは鈴木先生だったな〜(笑)