家庭、地域社会、学校を結ぶ情報通信                          NO315
2003年(平成15年)11月07日発行

大  王  や  し
 


 
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校長室より
校 長  松 井 幹 夫
1.学習発表会を終えて
11月1日(土)、早朝より多くの来賓の皆様、保護者の方々を迎え開催された学習発表会は、台中日本人学校の児童生徒、参加者の皆様に多くの感動を与え、成功裏のうち無事終えることができました。これもひとえに子どもたちの頑張りと教職員の綿密な計画と適切な指導の賜物と感謝しています。
 各学年の頑張った成果を振り返ってみます。
小学部2年生「ぼくたちこくさい人」:図書『せかいのことばあそびえほん』を参考に、担任自作のシナリオで、子どもたちが、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、スワヒリ語、中国語の六つの言葉を使って、「こんにちは」「ともだち」「わらう」「ありがとう」などを紹介しました。台湾という外国ならではの発表で、子どもたちは外国語を通して国際理解ができたと思います。また、保護者の皆様の協力で作られたコスチュームを身に着けた子どもたちの姿も印象に残りました。
 小学部1年生「大きなかぶ」:皆さんご存知のロシア民話です。国語の教科書に出ているものに、担任が歌を取り入れアレンジしたものです。かわいらしい子どもたちのひとつひとつの演技に見ている者も、思わず笑いがこみ上げてきました。子どもたちは、この作品を通して協力と助け合いの大切さを学んでくれたことでしょう。担任が、放課後遅くまで小道具・大道後作りに取り組み、子どもたちの発表を引き立てたことを付け加えておきます。      
 小学部3年生「学校のまわり ふしぎたんけん」:昨年度から実施された「総合的な学習の時間」の取り組みのまとめの発表でした。子どもたちは、外国で生活していることを生かし、担任の綿密な計画の下、日本人学校のある秀山村、学校間交流をしている汝りょう国小のある隣村忠義村に目を向け、「作物班」「生き物班」を編成し、調べ学習を進め、その成果を皆様の前で発表しました。この学習を通して地域社会に目を向け、国際理解がより深まりました。
小学部4年生「惑星物語」:地球の子ども二人と地球を取り巻く惑星の子どもたちが登場し、「友だちに対して、溢れるような愛の言葉を伝えて欲しい」という願いをこめたものでした。星の子どもたちの楽しいダンス、小惑星たちのかわいいダンス、星の子どもたちと地球の子どもとの会話など4年生の子どもたちが助け合い、協力してできあがった心温まる発表でした。美しい声が出ていた「メッセージを伝える歌」・みんなで工夫して作り上げた星空のバックにもクラスの頑張りが出ていました。
小学部5年生「注文の多い料理店」:皆さんご存知の宮沢賢治の名作を劇にしたものです。子どもたちは、図工の学習の時間を使い、お互いがアイデアを出し合い素晴らしい舞台のバックと小道具を仕上げました。劇を作り上げる途中で内容を十分理解し、人間の身勝手さから、小さな生き物の命をむやみに奪ってはならないこと、命の大切さ等を学び、感動ある劇に仕上げました。
 
小学部6年生・中学部1年生「米の道 〜Rice Road〜」―日本と台湾をむすぶ―:小学部と中学部が合同で、「総合的な学習の時間」の取り組みとして、地域の田んぼを借り、田植えから稲刈りまでの体験学習をしました。その中で、日本・台湾両国の「稲作」の学習を深めました。私も、子どもたちの発表から末長 仁・磯 永吉・八田 與一の三名の先駆者たちの努力の結果、今日の台湾の稲作農業があることを知りました。また、子どもたちは、インターネット・文献等を駆使して両国の人気の銘柄米ベスト5、生産量等の調べ学習を積極的に行い、実りある発表となりました。きっと、私たちの主食である米一粒の大切さも学び取ってくれたことでしょう。
中学部2年生「ぼくたちの旅in関西」:10月14日(火)から17日(金)まで実施した3泊4日の中学部2・3年生の「奈良・京都・大阪」方面の修学旅行を絵巻物風にアレンジした発表でした。子どもたちは2週間前の修学旅行で学習したことや思い出をリアルに表現できていました。見ていた多くの子どもたちから「僕たち・私たちも行ってみたい」という声が聞かれました。この発表で、子どもたちにとって修学旅行がより充実したものになったことでしょう。
中学部3年生「生徒としての誇り・・・」:生徒たちと桑本教諭、今井教諭が何度も推敲を重ね、脚本を作り上げました。中学部3年生は、今、将来進むべき進路を保護者・担任等と相談しながら模索しています。この発表は、子どもたちが高校生役になり、保護者や周りの大人たちに、学歴や学校で人間を判断してはいけない、もっと自分たちの人権を大切にしなければならないなど多くのメッセージを送り、大人たちに自分たちがおかれている現実にもっと眼を向けほしいとアピールしているようにも思えました。皆さん、如何でしたでしょうか。
 
2.ルバルバおばさんと三地国小の子どもたちとの交流
小学部の6年生の子どもたちが、修学旅行の際、毎年国際理解教育でお世話になっているルバルバおばさん、交流を通してお世話になっている台湾南部の屏東縣(ピントン)にある三地国小の子どもたちをお招きしました。また、ルバルバおばさんと親交のある佐久本 壽代先生(元九州工業大学情報工学部教授)にも来校していただきました。佐久本先生からは、ルバルバおばさんの生い立ちを書かれた「山郷の女」を学校に寄贈していただきました。
ルバルバおばさんには、子どもたちと先生方におばさん手作りの高山植物の花飾りをいただき、また現地に伝わる昔話を低学年の子どもたちにも理解できるゆっくりとした口調で語っていただきました。もう少し時間があれば、もっとお話を聞くことができましたのに残念です。
三地国小の子どもたちからは、台中日本人学校の子どもたち・保護者の皆様をはじめ見る者、聞く者を魅了する踊りと歌を披露していただきました。歌は、昨年度台湾のコンクールで1位という輝かしい成績を収められた素晴らしいものでした。踊りは、台湾の原住民の踊りでした。子どもたちの心の琴線に触れるよい機会となりました。
車で片道約3時間の三地門からわざわざお越しいただいたルバルバおばさん、三地国小の子どもたち、校長先生を始め引率の先生方に感謝の気持ちをお送りします。
今後も、学校運営委員会、保護者の皆様のご協力とご支援をいただき、子どもたちによいものに触れる機会を数多く教育活動の中に採り入れていきたいと思っています。 
例年と違ったプログラムになり、子どもたちの下校が午後になり、また、当初の予定より一時間近く帰宅が遅れましことを心よりお詫び申しあげます。
 
 
 
 
学習発表会
11月1日、この日を目指して一生懸命準備した学習発表会。すべての発表がすばらしかったですね。
 
 
  小1 みんなで「うんとこしょ、どっこいしょ」  小2 世界には、いろいろな言葉があるんだね。
 

 

 
 
    小3 学校の回りの不思議がわかりました。     小4 みんなひとりではないんだよね。
 
 
 
 
 
   小5 注文の多いレストランは怖〜い。    小6・中1 お米のことを詳しく教えてくれました。
  
 
  
   中2 修学旅行、私も行きたかったなぁ〜。    中3 迫真の演技には心を打たれました。
 
 
ルバルバおばさん、三地國小との交流会
三地國小のみんなから歌と踊りのプレゼントを頂きました。
 
 
 
 
ルバルバおばさんの日本語にみんなビックリ!



ルバルバさんの本を書いた、佐久本先生も同席して下さいました   
 
 


小6中1稲刈り体験
11月3日 今年2回目の稲刈り体験をしました。
  
 
 
 自分たちで植えた稲なので、大切に刈り取りました。  刈り取った稲はしばって、天日干しにします。
 
 
 
 
ペ ン リ レ ー
ここには、保護者や地域の方、学校関係者からの思いをリレーの形で掲載させていただきます。今回は、台中日本人学校 小4担任です。
 
 「30年前の自分と今」      
 

     「うちの家族」            四ノ三 ○○ ○○
うちの家族の兄弟は、きかんぼうが、そろっています。そのなかでも、妹とおにいさんです。おにいさんは、いちばんおそくおきたのに、ぼくにおにいさんの食べ物をつくえの所に「もっていけ。」というので、うるせー自分でもっていってくえとも思いました。妹は、いうことがなんでもとうせると思ってねだると、すぐおとうさんに、「ばかやろう。」とおこられます。それを見てると、ぼくが一番おりこうだし、きかんも少しだからいい子だなと思いました。おにいさんの年は15才、妹は6才です。
 ぼくと、おばあちゃんは、仲よしです。それは、ぼくがしょうにぜんそくになって、おばあちゃんのねどこに行くと、20分か30分ぐらいからだをもんでくれます。ぼくがねてもやってくれるので、おばあちゃんのねどこですやすやとねむってしまいます。そういうことあると、ぼくは赤ちゃんみたいだと思うこともあります。そういうことがもう何回もあります。あとお金をもらいに行って、10円ちょうだいというと「はい10万円。」だねとくれます。それは、楽しませるためいっているんだと思います。ぼくも、おばあちゃんにジュウスを作ってやると「ありがと。」といってくれます。ぼくの今の年は9才で、おばあちゃんの年は73才か74才です。
 おかあさんとおとうさんは、けんかをします。おかあさんは、おこりんぼうで少しのことでもぷんぷんおこります。おとうさんは、すぐおこるとねどこに行ってねむってしまいます。ぼくは、せんそうもけんかも一番きらいです。だから学校の友だちともけんかをしないようにしたいです。だから、家族の人ともけんかを少しぐらいしかしないで仲よくくらしたいです。おとうさんの年は、38才で、おかあさんの年は、36才です。
 ぼくのきぼう  水泳せんしゅ わけは、水泳がすきで、学校でえらばれて県にでたいから
 
 以上の作文は、私が四年生の時に書いた30年前の作文です。なぜ、これが、手元にあるかと言いますと、それは、母校の群馬県の渋川北小学校が、30年前に100周年記念と言うことで、タイムカプセルを埋めることになり、その中に、在校生の作品を入れました。そのタイムカプセルを今年の9月に開封して、作品を持ち主に戻しました。私は、台湾に来ているので取りに行くことができないので、そこに勤務している先輩の先生といとこに、預かっていただくことを事前にお願いをしておきました。実家に届けることもできたようですが、直接私に渡した方が良いということで送って下さいました。
 子どもながらにも、「30年後に開封される。随分先のことだ。」と思っていたことを思いだしました。教員になってからは、もしかして、そこに勤務しているかもしれないと思う時期もありましたが。
 送っていただけると言う話を聞いて、「確か作文を書いたな。絵も写生の絵だったな。」と思いをはせていました。10月24日受け取り、30年前を振り返りながら、作文を読んで見て、内容は下手でしたが、その時、考えていた素直な気持ちが書けていると思いました。そして、字を見てびっくり。思っていた以上にしっかりときれいに書けていました。「こんな字を書いていたのか。」と感慨深いものがありました。
 現在の家族は、
 兄は、2児の父親。父の家業(プロパンガス屋)を継いでいます。妹は、2児の母親。自分の子どもに対して、がみがみ言い過ぎているとのこと。祖母は、10年前に97才で他界しました。自宅で、家族が最後を看取ることができたので、良かったと思っています。両親は、子どもの時から、けんかばかりしていたように見えました。母の一方的な考えから、けんかが起こることが多かったようにも思います。子どもながら、平穏でいてくれたらなと思っていました。幸運にも、両親とも健在で、この夏、叔父夫婦と叔母と5人で台湾に来て、5泊6日で台湾を案内できました。親孝行ができたことを嬉しく思っています。
 両親の悩みの種ですが、まだ、私は独り身。周りから、「早くいい人を見つけた方が良い。」と言われますが、たぶんこのままだと思います。
 小さい時から、目立ちたい部分はあったけれど、人を押しのけてまで人の前に立とうという気持ちがなかったと思います。おっとりしているというか、のんびりしているというか。争い事は、あまり好きではありませんでした。たぶん、この性格は、このまま続くのでしょうね。
 年月って、長いようだけど短いんですよね。過去に戻りたくはないけれど、たくさんの思い出があります。これからも、どんなできことがあるのだろう。その時は、そのことで精一杯だと思うけれど、後で考えると、「あんなこともあったけ。」と思うことでしょうね。
 今、偶然か、30年前の私と同じ4年生を私が指導しています。身近な人の歳月をわかってもらうために、子どもたちに作品を見せました。反応は、「あー。」と短い声でしたが、自分の解釈として、子どもたちが感動してくれたようで、少し嬉しく思いました。
 私は、今も大成していませんが、受け持っている子どもたち、一人一人を見ていますと、わたしと違った光るものを持っていると感じています。大きな夢を持ち、努力を惜しまず、光るものを磨いて、これからの生活を送ってもらいたいものです。
 30年後に、どんな人物になっているか楽しみです。できれば、この地で再会したいものですね。
 
 
  

上の作品は、昭和48年10月12日私が4年生の時に、軽浜という団地に一日がかりで写生に行った時の絵です。最後まで仕上がらず、電線は色が塗ってありませんでした。たしか、この絵は、1度目の絵が気に入らず、描き直したものです。粘り強さにかけていました。習字は、木の右払いがうまく半紙におさまりませんでした。はねないところも、はねています。目標が高くなく、あきらめが早い感じです。その時のことをなんとなく覚えていました。今もぱっとしませんが、小学4年生でも、勉強や運動ができたわけでもなく、目立った存在ではありませんでした。しかし、友だちに対して嫌がらせをしたりせず、静かで先生の前ではいい子だったように思います。
 







             

11月保健便り                                        養護教諭 

読書の秋・スポーツの秋・食欲の秋……皆さんの秋はどんな秋でしょうか。秋らしくなり、涼しくなってきましたが、のどが痛い・鼻水が出るなど、風邪の症状が出ている人も目立つようになってきました。日によっては、まだまだ暑かったり、寒くなったりと、風邪をひきやすい時期です。汗をかいたあとの始末、着るものの調整をするようにしましょう。もちろん、うがいや手洗いも忘れずに。



こんな時の手当は??


擦り傷転んでひざやひじをすりむいたとき、土でよごれたまま「消毒してください」という人がいます。消毒よりも先に、まず水で土などのよごれを洗い流すことが大切です。

鼻血
が出たら、少し下を向いて親指と人差し指で小鼻をつまむ ように、鼻のやわらかい部分を両側から指で圧迫します。あおむけに寝たりせず、おちついてすわってください。あおむけに寝ると血液がのどに下り、胃に入って吐き気をもよおすことがあるので、横にならずにすわるようにして下さい。鼻血が出た時に首の後ろをたたくという人もいますが、鼻血を止める効果はありませんのでしないでください。

気分が悪くなったとき 衣服をゆるめ、風通しのよいところで休みましょう。顔色が赤いときは頭を高くして、顔色が青いときは足を高くします。


もうすぐ持久走大会
 準備運動を行わずに、いきなり、はげしい運動をすると筋肉や関節を痛める危険があることは知っていますよね。普段から体育の時間やクラブ活動では、軽い運動から始めているはずです。持久走大会でも準備運動をしますが、競走の前にも自分でストレッチを行うようにしましょう。持久走大会では、みんな全力で走ったり競走を行うので、肉ばなれのような状態になってしまったり、ねんざなどのけがをしてしまうことがよくあります。特に、普段あまり運動をしていない人は今日からでも走ったり、トレーニングをしたりしましょう。楽しい持久走大会で、けがでつらい思いをしないようにしましょう。






子ども相談室より−12−

子ども相談担当

いいたいことがいえる仲間がいますか?

 あなたが相手のことを好きだと思ったら、相手にも気持ちが伝わり、あなたのことを好きでいてくれます。また、自分がきらいだなぁと思う人は、自分がその人をきらっているように、自分のこともきらわれていると思います。

 その人のことを思うと気持ちがあたたかくなったり、明るくなったり豊かになったりする、そういう人がまわりに多ければ多いほど、自分の人生は豊かになってくると思いませんか。そうした実感を持てるようになるには、ピア・カウンセリングをしてみるとか、人とのコミュニケーションを活発にしてみることが大切ではないでしょうか。それが結局まわりまわって、自分にとってプラスになるでしょうし、相手の信頼を得ることにもつながっていくでしょう。

 これが『他人と生きる=自分と生きる』ことなのだと思います。そして、人とよい関係をつくることが、お互いの人生が豊かになることにつながっていくと思うのですが、

どう思われますか。

 自分のまわりで、好意を持てる人やホッとする人というのは、よく見ると自分の話をきちんと聞いてくれる人だと思いませんか?話を混ぜ返さないで聞いてくれたり、寄り添ってしばらく一緒に歩いてくれたり、そういう人たちではないでしょうか。相手にとって、自分がそういう存在になるのはそんなに難しいことではありません。「スタンド・バイ・ミー」という映画がありましたが、ご覧になられましたか。これは、子どもたちの友情の物語ですが、この言葉には、側に寄り添っていてほしい、かたわらに立っていてほしい、私の側にいて、という意味が含まれているのではないでしょうか。友だちというのは、手助けできることには手助けをしてあげればいいのですが、何もできないときもあります。しかし、側にいて見守ってあげることや話を聞いてあげるという『スタンド・バイ・ミー』は、だれにでもできるはずですよね。実はそれがいちばん大切なことであり、相手の役に立つことかも知れませんよ。

 あなたには、寄り添ってあげたいと思う人が何人いるでしょうか?また、それができるでしょうか?そういう人がたくさんいればいるほど、あなたは人の人生に影響を与えているし、貢献もしている。とてもいい人生を歩んでいると言えるのではないでしょうか。

 あなたは、だれかの側にいて、寄り添ってあげていますか?

 そうした時間を大切にして、人生を生きていますか?

 

『ストップ・ルック・チューズ』をしてみませんか。

 『ストップ・ルック・チューズ』とは、立ち止まって、よく観て、選んでみようという考え方です。これを、人との協力関係の中でやっていこう、というのがピア・カウンセリングというものです。何か問題が起こったときは、少し立ち止まって考えてみることが大切ですね。人間は問題やとっさの事態が起きた時に、無意識に同じパターンで行動してしまうそうです。うまくいっているときはそれでいいのですが、うまくいかないときは、立ち止まって違う選択をする必要があるのです。

 人は『全自動選択機』だと言われることがあります。自分では、こうなったらこういう対処をする、こういわれたらこう返事をする、などと、考えてから行動しているように思いますが、実は無意識に自分のパターンを繰り返しているのだそうです。例えば、年頃の子どもが家に早く帰ってこないとします。すると親は、

「どうして早く帰ってこないの?約束は9時でしょう!」

といつも怒鳴ります。何度も遅く帰ることが続くと、言い方が足りないと思って、

「何度言ったら分かるの?何でおまえは早く帰ってこないのよ!」

とますます大声で怒鳴ることでしょう。これでは、子どもはますます反発してしまいます。

 この親は、無意識に自分のパターンとして怒ることしかせず、それ以外の選択をしていないのです。違う選択があること自体、考えられないのかも知れません。そのやり方しか知らないから何度も繰り返すのかもしれませんね。

 全自動の選択はうまくいかないこともあります。もしこのとき、違う表情でなぜ早く帰れないのかの理由を真剣に聞いていたら、子どもは親との約束を守るようになったかもしれません。ある問題が起きたら、自動的ではなく『ストップ・ルック・チューズ』して、自分の中のブラックボックスを開けてみてください。今はこういうことが起きているんだ、自分はいつもこんな行動をしてしまうんだ、と考え、さらに、うまくいかせるためにはどういう選択肢がいいのかを選んでいくといいですね。

『ストップ・ルック・チューズ』は、自分が人生を前向きに生きる、よい選択肢を選べるようになるコツだとも言えるでしょう。

 「山に行きたい。時間がない。」という状況のときに、多くの人は、「山に行きたい。でも、時間がない。だからいけない。」

という言い方をします。しかし、山に行きたい、ということと、時間がない、ということは、まったく別の話ですね。本当は、「山に行きたい。そして、時間がない。」という言い方でもいいわけです。そして、後者の言い方のほうが、行ける可能性が出てくると思いませんか。ですから、一歩離れて自分の情況を観て、思考や感情、行動を整理してみると、別の考え方ができるのではないでしょうか。